
いつもご愛読ありがとうございます。富山・石川・福井新築リフォーム補助金ナビ運営局です。
このたび石川県及び富山県、そして福井県で発生した豪雨により被災された皆さまに
心よりお見舞い申し上げます。
2026年8月27日、石川県・富山県では記録的な大雨となり、各地で住宅や道路などが浸水する被害が発生しました。また8月30日には福井県にも豪雨が降り建物への浸水甚被害が発生している状況です。
当サイト運営事務局は富山県西部に所在しており、
これまで経験したことのないような大雨、生活道路の冠水、近隣地域の家屋の浸水被害の状況を目の当たりにしました。
気象庁はこのような線状降水帯を含む極端な大雨の発生頻度が年々増加傾向であり、強い雨ほど増加率が高くなっているとのことです。 気象庁
また国土交通省は、こういった近年の大雨や水災害の増加は地球温暖化による影響であることを示唆しています。 国土交通省
つまり今回の水害は「特別な年だけの出来事」ではなく、
これからの石川県、富山県、福井県に居住する上で、夏の暑さや冬の積雪に加えて新たな災害課題が増えたと言えるでしょう。
今回のことで、水災害とは川の氾濫による洪水だけではなく、短時間に大量に雨が降って処理しきれなくなった水による浸水被害も起こるのだと知りました。このような市街地等の排水マヒによる浸水被害のことを「内水氾濫(ないすいはんらん)」といいます。
9月1日は「防災の日」です。
今回は令和の災害として新たに加わった脅威「内水氾濫」について考えていきたいと思います。
内水氾濫とは、大雨に対して市街地の雨水排水機能が追い付かず、下水道、用水路やマンホール等から水があふれだし、土地や建物が浸水してしまう現象のことです。
通常、雨が降り出すと、河川や排水路、雨水管に流れる雨水の量は徐々に増えていきます。
さらに雨が強まると雨水管がいっぱいになって、道路側溝の雨水が雨水管に流れ込むことができなくなり、道路上に雨水が溜まり始めます。
激しい雨が継続するとマンホールや道路側溝などから水が溢れ出したり低い土地や田んぼが一面すべて水につかる浸水被害(内水氾濫)が発生します。

また、増水した河川の水が溢れて堤防が決壊するなどの洪水被害(外水氾濫)も発生することがあります。

このように、水災害とはいわゆる河川が決壊して起こる洪水「外水氾濫」だけではなく、
市中の雨水排水マヒで起きる「内水氾濫」の2種類があるのです。
内水氾濫は近くに大きな川がなくても起きます。
内水氾濫は低地ほど起こりやすいという特徴があります。少しでも高い土地から雨水が流れ込んでくるからです。
内水氾濫が起きやすい場所としては
・標高が低い土地
・すり鉢状の地形や盆地など、水が自然と集まりやすい場所。
・水はけが良くない土地
・アスファルトで舗装されている地域
・用水路や道路側溝
・アンダーパス
などが考えられます。
また、内水氾濫は進行が早く、気づいた時には避難が難しい場合があります。
今回発生した集中豪雨も夜中発生し朝には冠水状況にありました。石川県羽咋市で1時間に82.0ミリ、富山県の氷見市で76.5ミリを観測したとのことですが、一般的な下水道が処理できる雨量は、1時間あたり50mm程度です。
今回のような局地的に発生するゲリラ豪雨は、台風のように予測進路や降水量を事前に把握することが大変難しいそうです。
したがって、防災としては、自宅敷地が低地など内水氾濫リスクが高いかどうかあらかじめ知っておくことが重要です。
自宅の自然災害リスクを調べる防災ツールといえば、国土地理院の「かさねるハザードマップ」があります。
自宅の住所を入力し、表示情報の選択を変えるとさまざまな災害リスク予測を見ることができます。(色無しは該当なし)
ただし、ここで表示される「洪水・内水」の「浸水想定区域」とは洪水による浸水予測区域であることが多く、内水氾濫浸水域は必ずしも反映されていません。
実は、ハザードマップは主に土砂災害リスク周知がメインで始まっているので、内水氾濫の浸水想定区域は、全国の自治体のおよそ60%が未公開(未設定)のままとのこと。重ねるハザードマップに情報が入っていない地域が多いのです。
内水氾濫の範囲が確認できなかった場合は、お住まいの自治体のホームページ等で「内水氾濫ハザードマップ」があるかどうか再度確認してみてください。
なお、今回被害が甚大であった石川県羽咋市には内水氾濫ハザードマップが存在しており羽咋市ホームページで掲載されております。
https://www.city.hakui.lg.jp/material/files/group/16/naisuiHM.pdf
富山県高岡市も内水氾濫ハザードマップ作成済。デジマップたかおか(水害ハザードマップの表示を選択)
https://www.sonicweb-asp.jp/takaoka/
福井県福井市も内水ハザードマップ公開済み。
https://www.city.fukui.lg.jp/kurasi/gesui/gesuiproject/hazardmap.html
やはり北陸でも内水氾濫ハザードマップ公開状況はまちまちのようです。
河川氾濫による洪水ハザードマップの場合は、主に浸水高さが3m以上になるかどうかを示しています。(住宅の1階天井まで水が上がってくるかどうかの目安)
今回の内水氾濫への対策で警戒すべき浸水高さの例としては
・住宅の床上浸水はおよそ50センチから
・住宅の床下浸水はおよそ30センチから
・RV車のタイヤ半分の高さは約30センチ
・軽自動車の車体底面の高さは約15センチ
つまり1m未満の浸水予測情報が必要、洪水ハザードマップでは内水氾濫リスクがわからないのです。
※内水氾濫ハザードマップ凡例イメージ図。石川県羽咋市HPより引用

もし内水氾濫想定区域ハザードマップが存在していない自治体に住んでいる場合は、
たとえば国土地理院の重ねるハザードマップで「土地の特徴・成り立ち」を重ね、分類で「治水地形分類図」を重ねてみると、低地が色分けで表示されます。下記凡例参照。

※「低地」に分類されている色のパターンの例
洪水ハザードマップは大雑把すぎるので、せめて自宅土地の高い低いを理解しておきましょう。
そしてこのような情報を元に、
実際に自宅の敷地は前面道路より高いのか低いのか、半地下等に車庫を作っていないか、川につながる用水路やアンダーパスの場所、そして今年の大雨で浸水したエリアがどこだったかなどが重要です。
今年限りとはならない可能性が高い水災害です。今のうちに地域や家族で情報交換しておきましょう。
地域特性を理解したら、次に自宅周辺の内水氾濫リスクを確認しましょう。
①内水氾濫ハザードマップで浸水想定区域と深さ予測を確認する
②土砂災害警戒区域に入っていないかも確認
③普段使いの生活道路で通れなくなりそうな道をチェック
④自宅敷地を目視確認し前面道路や隣地との高低差をチェック
⑤自宅近隣の道路側溝や雨水ますはこまめに清掃(ビニールや落ち葉が排水を阻害します)
実際の内水氾濫ハザードマップの一例を見てみましょう。
下記は富山県高岡市の内水氾濫ハザードマップにおける当サイト運営事務局の所在エリアです。
昔から田んぼが多くかつ海や川が近いこともあり、「浸水深さ10センチ~50センチ未満のエリア」が付近に多数存在しています。
自動車の通行を避けるべきなのは青斜線部の道であることが判断できます。

※デジマップたかおかよりhttps://www.sonicweb-asp.jp/takaoka/
また、建物への床下浸水の可能性があるエリアが地域の一部にあり。裏手に用水路があることが関係していそうです。
なお、建物への床下浸水への浸水対策としては
①敷地そのもののかさ上げ

②建物床高さを上げる(建物の基礎立ちあがり高さ設計)

③防止壁を施工する

などが考えられます。
既存建物では対処できないものもありますが、いつか同じ場所で建替えする時などは内水氾濫対策も考えるようにしましょう。
今回の石川県・富山県・福井県での記録的な大雨は、過去に発生しなかった浸水被害をもたらしました。
浸水発生エリアも河川が近いからとは限らず、国道沿いや住宅地で発生しています。
地域の水田や畑は、雨水を地表面上へ一時貯留し、また地中へ浸透させる働きを持っています。ところが農地の宅地造成にともない、住宅の屋根部分の面積の増大、道路・駐車場等のアスファルト舗装などで市街化が進むと、昔よりも町の雨水貯留能力は減少しています。
排水できなかった雨水は低い土地に短時間で集中し、結果、内水氾濫が発生しやすくなるのです。
「今まで浸水水害にあったことが無いから」という理由だけでは、これからは自宅や財産は守れません。
大切なすまいを守るために内水氾濫ハザードマップを有効活用していきましょう。
今回のコラムは防災の日にちなんで、内水氾濫という新たな災害について解説しました。
被災地域の一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。
