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北陸新築リフォーム補助金サポートナビ運営局です。
今回のコラムはZEHについて解説いたします。
これまでも地球温暖化を背景に、住宅の省エネ性能についての施策が打たれておりますが、2020年10月に菅内閣総理大臣(当時)の所信表明演説で発表された「2050年カーボンニュートラルの実現を目指す」と発信されたことを皮切りに、今まで以上に鮮明に、且つ強制力をもった方針が打ち出されるようになっています。
何故、ZEHを取り組まなければならないのか?
取り組まないとどういうことが起きるのか?
お客様へどう提案すると良いのか?
事例などを交えながら、詳しく解説していきますので、工務店の経営者、責任者の方は
ぜひご覧ください。
【目次】
皆さんも地球温暖化についてはご存知のことと思いますが、環境省のCoolChoiceウェブサイトの掲載されていた2100年未来の天気予報はとてもインパクトのある内容が掲載されています。それが、以下の「2100年8月の最高気温」です。
札幌で40.5℃、なんと金沢では42.4℃で沖縄よりも高い気温となり、猛暑日(35℃以上)が約2カ月間も続くという内容です。
ここまで温暖化が続くと、様々な問題が発生すると言われています。
・1時間降水量50㎜以上の年間発生回数は現在の2倍
・熱中症による死者の数は現在の2倍
・日本海側での積雪の減少
・コメの収穫量の大幅な減少
・昆虫や害虫の巨大化
・マラリアやテング熱などの流行
未来のこどもたちのために今できることを!ということで
2020年10月26日に第二百三回国会における菅内閣総理大臣所信表明演説の中で、
「我が国は2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを、ここに宣言します」とあり、
この宣言を受けて、国内外から称賛・歓迎の声が高まり、これ以降様々な目標が打ち出され、
2030年に
・温室効果ガス排出 2013年度比46%減少(従来目標:26%削減)
・ZEH目標:新築戸建て住宅の6割に太陽光発電設備が導入
2030年代半ばまでに
・新車販売の100%を電動車両に
と2050年カーボンニュートラル実現に向けた動きが加速しています。
住宅に関しては、
国土交通省が2022年4月から建築主への省エネ性能説明義務制度が開始、2022年の住宅ローン減税改正では2024年以降、省エネ性能不適合住宅は控除額がなんと0円になると改正されました。(それまでは3,000万)
また、2025年からはすべての建築物・住宅において、省エネ基準への適合が義務化されることになりました。(2022年6月17日公布 改正建築物省エネ法改正)
※これまでは延床面積300㎡以上の中規模・大規模建築物は省エネ基準への適合義務。
小規模建築物や住宅は対象外
つまり、2025年以降、省エネ基準に適合していない建築物・住宅は建てられなくなり、
さらに、2030年には新築の省エネ性能がZEH水準になり、ZEHが当たり前になります。
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)とは?
環境問題、社会問題を背景に国をあげてZEHの推進は進んでいますが、実際にZEHを建てるのはエンドユーザー。ZEHが自分たちにもメリットがないと建ててくれません。
ZEH推進に取り組むビルダー様はZEHにするメリットを3つしっかりお伝えしています。
1つは、電気を「自給自足」できて、家計にやさしい太陽光発電+蓄電池で、日中は太陽光発電で自家消費。
余剰電力は蓄電池で充電し、さらに余った電気は電力会社に売電。夜間は蓄電池に貯めた電力を放電。
使い切った場合は、夜間の安価な電気を買電と賢い使い方を提案されています。
2つめは冬暖かく、夏は涼しく、ヒートショックも防げる快適、安心な家断熱性をたかめることで昼夜、季節を問わず快適な温度で住みやすい空間を実現でき、室温差も解消されます。室温差が解消されると冬場の脱衣、入浴で起こりやすいヒートショックのリスクを防げるという安心、安全面をしっかりご説明されています。
3つめは、災害がおきても自宅で安心して暮らせる家。
下のイラストにもあるように、ここ数年自然災害が頻繫に発生しており、それに伴い、大規模な停電も
増えています。その多くは復電まで数時間~5日間かかり、太陽光発電+蓄電池を採用したご家庭では
冷蔵庫、携帯電話等が使用でき、家庭生活が維持できたと報告されています。
また記憶に新しい2022年3月16日に発生した福島県沖地震で一部の火力発電所の火災と3月22日の気温低下による暖房需要の増加から経済産業省が電力の需給ひっ迫警報」を初めて発令し、最大300万件規模の停電リスクにさらされました。今後の電力の安定供給が非常に厳しい環境になっており、
「備えあれば患いなし」を実感する出来事で、直ぐ起こりうるリスク策としてしっかりご説明されています。
2項で「自家消費」というメリットをご説明しましたが、実際どれ位光熱費がお得になるのでしょうか?高性能な家にすると、勿論建築コストが上がります。ZEHが良いのは分かったけど、実際収支はどうなのか?お施主様もとても気になるところですよね。
以下に、40坪の建物でZEHと一般住宅での月々の支出額を比較してみました。
2,000万の一般住宅だと住宅ローンが59,777円、光熱費は20,706円で月々80,483円となりますが、
5.5kwhの太陽光発電システムを搭載したZEHでは売電収入を含め、月々の支払は67,225円となり、13,258円お得になります。
光熱費=生涯ローン それを大きく削減できるのがZEH。蓄電池があれば、さらに光熱費を削減することができます。
【算定条件】
一般住宅・・・延床面積132.5㎡/5地域/借入金額2,000万、フラット35 35年間
/適用金利 1.35%/電気料金単価 購入27円/kwh/
ZEH住宅・・・延床面積132.5㎡/ 5地域/借入金額2,300万、フラット35S・ZEH 35年間/適用金利 当初5年間0.85%/6年目~10年目1.10% 11年目以降1.35%/電気料金単価 購入27円/kwh/余剰売電時17円/kwh/太陽光5.5kwh
また、光熱費に関しても興味深いデータがあります。
あくまで一般的な生涯光熱費シミュレーションなのですが、下の表のように、毎月の電気代が15,000円のBさんが日本人平均寿命(2020年度)まで支払い続けた場合、
電気代は何と9,360,000円、ガス代と合わせると13,104,000円も支払うことになります。
これは今の電気代でのシミュレーションですので、石油、LNG、石炭等のエネルギー価格が高騰しており、将来においては確実に今より電気代が上がるはずなので
自給自足が如何に大切なことかこのことをご説明するとご理解頂けると思います。
ここまでくると、「ZEHが良いのは分かった。ではどうすれば良いのか?」とお施主様からお問合せがあると思います。
2020年度のZEH化率は24.0%なのですが、内訳としてハウスメーカーは56.3%と高い反面、
一般の工務店様は9.5%とまだまだ普及されておらず、工務店様からも、
「ZEHにするにはどうすれば良いの?」
「普段使われている部材から何を変更すると良いのか?」
というお声を良く耳にしますが、主に以下の部材を選定することになります。
● 太陽光発電システム
● 断熱材+樹脂製複層サッシ
● 換気システム
● LED照明器具
● 冷暖房設備(エアコン等)
● 高効率給湯機
● 給湯設備(バス・キッチン水栓、断熱浴槽)
詳しくは、運用会社の営業部隊からご提案させていただきますので、お問合せフォームにその旨ご記入ください。
1項で触れました通り、ZEH等高性能住宅の普及に国をあげて取り組んでいますので、
様々な支援策が発令されています。
●こどもみらい住宅支援事業
概要:子育て世帯(18年度未満の子どもがいる世帯)や若年層(39歳以下)の夫婦が対象。
住宅取得負担軽減と同時に、一定の省エネ性を有する住宅を条件に給付。
対象者:2021年11月26日以降に契約を締結し、2023年3月31日までに申請をした方
※申請は住宅事業者を通じて行う。予算上達に達した場合、申請受付を早く終了する可能性があります。
●住宅ローン減税
概要:住宅ローン残高の0.7%を原則として13年間(10年間の項目もあり)、
所得税額と住民税額の一部から税額控除。住宅の省エネ性能等に応じ、控除額を上乗せ。
対象者:2022年1月から2025年12月までに入居した方
こちらで注目なのが、2024年からは最低でも省エネ基準適合住宅にすることが減税制度上、必須になることです。
つまり、表にあるようにこれまで一般的な新築住宅でも3,000万円の控除があったものが、2024年からは省エネ性能が法律以下であれば控除はなし(0円)となるので、お施主様にはとても大きな話になり、最低ラインの省エネ基準適合住宅はもちん、ZEH等の高性能住宅の普及が進むと考えられています。
●住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置
概要:親や祖父母等から資金贈与を受けて住宅取得等をした場合、省エネ基準住宅等の質の高い住宅であれば最大1,000万円までの贈与が非課税になります。
対象名:令和4年1月から令和5年12月末までに贈与を受けた方
●地域型住宅グリーン化事業補助金制度
こちらの補助金を活用するには「令和4年度地域型グリーン事業グループに予め加盟する必要がありますが、高性能な住宅に補助が支給される制度です。
概要:省エネ性能や、耐久性能に優れている住宅を建てた場合に建築費用の一部を補助する
[特記事項]
・2022年3月時点での開示情報です。
・年間着工棟数50戸未満の建設業者に限ります。
・加算項目については複数に対応する場合、上限が40万となります。
・こどもみらい住宅支援事業との併用はできません。
いかがでしたでしょうか?
これまでもZEHの取り組みについては様々な方針が出ていましたが、なかなか浸透していませんでしたが、2020年の菅内閣総理大臣の所信表明演説を皮切りに、政府も本気の
方針を出しており、近い将来、ZEHを建てない工務店様は生き残れない時代が確実に来ると思われます。
ZEHにまだ取り組まれていらっしゃらない工務店・ビルダーの皆様はこれを機会に、ZEHについて理解していただき、今後の提案活動に活かして頂ければと思います。
ZEH、グリーン化事業についてもっと詳しく知りたい。
また、
・低炭素住宅の申請に関して詳しく知りたい
・補助金の申請に関するサポートをしてほしい
・今自社で使える補助金について教えて欲しい
こういったご相談をお持ちの方も
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