住宅取得資金贈与の非課税制度で必要な証明書とは？書き方見本も紹介

いつもご愛読いただきありがとうございます。
北陸新築リフォーム補助金サポートナビ運営局です。
今回のコラムは住宅取得資金贈与の非課税制度について解説いたします。

1.マイホームの建築を助ける！親世代からの資金援助

 

みなさまは、お客様からのマイホーム建築についてのご相談をいただいたときに、まず何を聞きますか？
・・・それは「予算」ですよね。

マイホーム取得には住宅ローンを利用することが一般的だと思いますが、

マイホームの相談者がもし20歳代などお若い方の場合は、

私たち建築事業者は「予算面が心配だな、うちで建築できるだろうか」とまずは心配になるのですが。
「実は親がお金を出してくれるらしくて・・」という言葉で(ﾟ∀ﾟ)イイネ！となります。

なるでしょ？スイッチ入りまくりですよ。
でもさっそくいくらなのか聞くと、「よくわからない」と言うんですよ。
いやいやそこを何とかはっきりさせないと、こちらの出方が決まらないので、ここで必殺技☆

• 
  「住宅取得資金の非課税制度というのがあるのはご存知ですか？
• 援助してもらう金額によってはこの制度を使わないと後から大変な税金がかかりますよ」
  を発動するのです！

 

「えっ、親からお金もらうだけなのに税金かかるんですか？」

「かかりますよ。1年間で110万以上のお金をもらうと、相手が誰であろうと基本的には課税対象です。税率もまあまあ高いですよ。」

「誰が払うんですか。親ですか」

「もらうのはあなたなので、あなたです」

「え～。。。。税金っていくらですか」

「たとえば親などの直系尊属からの贈与はまだ税率がやさしめなんですが（特例贈与）、もし500万もらった場合は」

＜贈与税額の計算の例＞
500万円 － 110万円※1 ＝ 390万円　（基礎控除後の課税価格） 
390万円 × 15% － 10万円※2 ＝ 48.5万円（贈与税額） 
※1基礎控除額110万円のこと
※2特例贈与の場合の金額に応じた控除額のこと

 

• • 「以上の計算になるので税金は485,000円ですね。」

 

• • 「高！！」
    

 

• • 「もしお金の使い道が住宅購入用ではなく、たとえば高級車を買うためだったら、
  • 買った年度の確定申告で税金を485,000円払いに行く必要があります。」
  • 
    「払いたくないと言ったらどうなるの？」
  • 
    「見つかるかどうかはわかりませんが、法律上は支払いは義務なので、
  • そのままにしておくことは率直に言うと脱税行為ですね」

 

• • 「だつぜい・・・」

 

• 「でもマイホーム購入用だったら、お金をもらった年の翌年の確定申告でちゃんと申告すれば、
• 令和4年度の今であれば最大1000万円までの贈与を非課税にしてもらえます。
• 非課税って、税金タダってことです。ただし、そのとき住宅の性能に関する証明書を税務書に出すことになります」
• 
  「証明書ってなんですか」
• 
  「いくつか種類はありますが、うちでは『住宅性能証明書』をお渡しすることが多いですね。
• 建築士側で用意する証明書で、最初から住宅の省エネ性能を必要なレベルで設計しておく必要があります。
• あと申請費用も多少かかるのと、手続きがあるので、後から言われても用意できない場合もあります」
• 
  「ええ～そうなんですか。。じゃあ、その制度を使うために親からいくらもらえるのかを聞いてくればいいんですか？」
• 
  「そうですね。金額によってはその証明書はいらないケースもあるようなので」
• 
  「わかりました、いくらなのか聞いてみます！」
• 
  「どのタイミングでお金を銀行から出してもらえるのかも聞いてみてください。最初なのか最後なのか」
• 
  「わかりました！（親切な建築士さんでよかった～～）」

 

• お客様からの建築費用の支払いがALL現金などで、住宅ローンを組まない場合は特に、
• 住宅建築資金の出所自体わたしたちにすべて話してくれないことが多くて、
• どちらの親族の、誰からいくらの予定なのか、タイミングはいつなのか、つかみきれないまま契約する場合があります。
• 
  ご両親さまからの高額贈与がありそうな方と出会えたこの幸運☆を、
• 「お金はあります」「そうですか」で終わらせてはいませんか？
  そうだった方は、上のくだりをそのまま暗記すべし！
• 
  実際、住宅関係の仕事をしてると、けっこうな金額の贈与に出会う確率、
• ほかの業界に比べてめちゃめちゃ高いと思いますよ。特に北陸では戸建て志向が強く、
• 団塊の世代の親自身も地域の分譲地いわゆるニュータウンに戸建て住宅を購入して子育てをしてきたので、
• 「いつかわが子にも」と思ってちゃんとこつこつ貯めてくれているのでしょうね。愛。いや文化になりつつあるかも？

 

そんなわけで、贈与そのものがけっこう盛んな（気がする）北陸では、特にこの制度はかなり人気の制度です。

使っている方は非常にたくさんいらっしゃいます。
なので住宅建築にかかわっている以上、住宅ローン減税制度と同じくらい必須の知識だと思いますよ。
制度の概要を次項で解説しましょう。

 

2. 住宅取得等の資金の贈与の非課税制度とは

 

• 住宅取得等の資金の贈与の非課税制度とは、
• しっかり貯蓄している親世代→次世代が今消費してくれるように、
• 住宅購入のためであれば、本来きっちりがっつり課税したい贈与税を免除してくれる制度で、
• 一般住宅（性能不問）でも500万までは非課税を認めている制度です。（ただし申告は必要）

 

• さらに贈与の金額が500万以上ある場合は、
• 「省エネ等住宅」を取得したとして申告すれば最大1000万までの贈与が非課税になります。
  なんという太っ腹。
• 住宅建築業者のわたしたちにとって、住宅ローン減税と同様、いつまでも続いてほしい素敵なシステムです。
  どのような方が対象になるのか等、詳しくは下記資料参照ください。
• 
  国税庁パンフレット「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」のあらまし
  https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0022005-028.pdf

 

 

なお、1000万の贈与があった場合の本来納税額は、

特別贈与（直系尊属からの贈与。親から子など）であっても税額は。。なんと177万！！　
あなたの建築する「省エネ等住宅」は、お客様に最大177万の減税効果をもたらすのです。
そのためには例えば「省エネ等住宅」であることを「住宅性能証明書」等で証明する必要があります。

さて、どのような条件で取得できる証明書なのか、次の項目で解説しましょう。

※なお、本コラムは主に新築住宅の取得の場合で記載していますのでご注意ください。

 

3.贈与税非課税枠上限を1000万にする証明書とは？

 

• 令和4年度の本制度概要資料によれば、取得する新築住宅が「省エネ等住宅」であれば、
• 上限1000万までの贈与を非課税とすることができることされています。
• 
  「省エネ等住宅」の条件とは、次の①から③の省エネ等基準のいずれかに適合する住宅用の家屋であることについて、
• 住宅性能証明書など一定の書類を贈与税の申告書に添付することにより証明されたものをいいます。
• 
  ①　断熱等性能等級4以上または一次エネルギー消費量等級4以上であること。
  ②　耐震等級（構造躯体の倒壊等防止）2以上または免震建築物であること。
  ③　高齢者等配慮対策等級（専用部分）3以上であること。
• 
  ここでベテランの方であれば、「あれ？これって『質の高い住宅』のことでしょ？」と
• お気づきになったことでしょう。その通りです。

令和3年度までは非課税上限を引き上げる水準の性能のことを「質の高い住宅」と呼んでいましたが、
令和4年度から「省エネ等住宅」と名称が変わりました。でも内容はあまり変わっていませんよ。

ここで北陸の工務店さまにおすすめなのは
①断熱性能等級4かつ一次エネルギー消費量等級4以上、でしょう。いわゆる省エネ基準適合住宅です。
技術的には全く問題ないレベル。

そしてその性能を証明する証明書ですが、令和4年度からつかえる証明書の種類が増えました。
ここに喜ばしい変更があるので、お伝えしたいと思います。

• 「省エネ等住宅」の住宅用の家屋であることについて、
• 次のA～Fいずれかの証明書を贈与税の申告書に添付すること
• 
  A　住宅性能証明書
  B　建設住宅性能評価書の写し
  C　 住宅省エネルギー性能証明書 ★ＮＥＷ★
  D　次のa及びｂの両方の書類
  　　a 長期優良住宅建築等計画の認定通知書の写し
  　　ｂ　住宅用家屋証明書（その写し）又は　認定長期優良住宅建築証明書(※)
  E 次のc及びdの両方の書類
  C 低炭素建築物新築等計画の認定通知書の写し
  D 住宅用家屋証明書（その写し）又は 認定低炭素住宅建築証明書(※)
  F 増改築等工事証明書(※)

(※)は主に中古住宅の購入や増改築工事の場合なので本コラムでは説明を省略します

• 
  新築住宅で本制度を活用することになった場合、
• 断熱性能等級4かつ一次エネルギー消費量等級4であることを上記のいずれかの証明書で証明するのですが、
• 当サイトではこれまではいつも　Ａ住宅性能証明書をおすすめしていました。
  本制度専用に用意された、最もスタンダードな証明書です。
• 
  断熱材の隠蔽前に現場検査があるので基本的には着工時に適合証明の申込をし、
• 断熱材の施工状況を現場検査を受けた後、竣工したときに発行されるものでした。
  なお、断熱材の施工時の写真があれば竣工後でも取得可能で、（竣工状態の現場検査をします）
• 取得費用と取得時間のかかるものの、これが最もラクて安かった。

 

ですが令和4年度からは
C　住宅省エネルギー性能証明書　★NEW★　
こちらをおすすめします！ここ重要！

今年度から初登場した証明ひな形で、本来は令和4年度からの住宅ローン減税制度用に登場した証明様
式です。国交省指定。下記ＨＰ参照ください
住宅：住宅ローン減税 – 国土交通省 (mlit.go.jp)

省エネ基準適合住宅であることまたは、ＺＥＨ水準の住宅であることについて、

建築士事務所に所属する建築士が証明する様式です。
つまり建築士であれば自らが証明者になれるので、登録性能評価機関等の第三者審査不要なのです。これが最もラク！
ただし省エネ基準適合住宅（断熱性能等級4かつ一次エネルギー消費量等級4）であることについて、

別途エネルギー計算などで適合を確認してある必要はあります。
これまで確定申告直前に「住宅性能証明書という書類がいる」と、

引き渡し済のお客様から急に電話で言われて慌てることがありましたが、これならサッと書いて渡せますよね！
なお、同じような意味合いの書類として「省エネ基準への適合性についての説明書」や「ＢＥＬＳ評価書」などが

すでに手元にあるケースもありますが、税務署はこのA～Fの書類以外は受け取りません。
証明する内容は全く同じ意味あいにはなりますが、減税用には「住宅省エネルギー性能証明書」を毎回書いてあげてください。

• 様式はこちら。書き方みほんつき。
  省エネ基準適合住宅の場合
  住宅省エネルギー性能証明書　みほん①

ZEＨ水準住宅であった場合（贈与税の非課税枠は1000万のままです）
住宅省エネルギー性能証明書　みほん②

 

4.「贈与のあった年の翌年に確定申告」ルールの注意点

• • 
    さて、そもそも本制度は、令和4年（2022年）1月1日から令和5年（2023年）12月31日までに
  • 住宅資金として贈与を受けた場合において、一定の要件を満たすときに対象となります。

 

• • 「贈与を受けた」＝住宅に入居ではなく、実際にいつお金をもらったのが
  • 令和4年1月1日から令和5年の12月31日である場合は、本制度を利用することができ、
  • 令和5年2月15日からの確定申告で申告することがそもそもの条件になっています。

 

• • したがって贈与が令和6年1月1日以降になる場合は、
  • この贈与税の非課税制度のしくみが継続されるかどうかや非課税枠の上限などがすべて未定ですのでご注意ください。

 

• • また、贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅取得資金の全額を充てて住宅用の家屋の新築等をし、
  • 同期日までに当住宅に居住すること。またはその後遅滞なく確実に入居予定であること。となっています。

 

• • 実務上、確定申告には取得した住宅の建物登記簿謄本や住民票の写しを提出することになっていますので、
  • 新築住宅は引き渡し済の状態を想定しています。
  • ここで問題なのが贈与のタイミングと住宅の完成が年末をまたぐ場合です。
    親からの贈与の実行が令和4年12月30日であったとした場合、注文住宅でまだ建築途中であっても、
  • とにかく令和5年の3月15日までに贈与税の確定申告が表向きは必須である点です。
  • 
    3月15日時点では建物完成しておらず建物登記簿はないけれど、
  • 贈与があったとしていったん税務署で申告書を書けばいいのか、そもそも「贈与があった」とはどのような行為を指すのか、
  • そのへんは個別内容に応じた税務署側の裁量になりますので、一概に名言できません。
  • 
    親からの贈与（資金移動など）実施前に、お金をもらうお客様ご本人様みずからが、
  • 事前に所管の税務署に事前に相談しておくことをおすすめします。
  • 完成していないなら申告が完了せず適用外。とは言わないはずですが、住宅ローン減税のように、
  • 減税制度はすべて入居後に税務署に行けばいいんだろうとなんとなく思っていると、問題が発生する可能性があるので注意しましょう。

 

• その場で安易にアドバイスぜず、まずは制度概要パンフレットをお渡しして、
• 「減税制度はここ最近、毎年変わっているので、税務署に事前相談しておいてください」くらいが適切だと思います。

 

5.まとめ

 

• • さて住宅取得資金の贈与税非課税制度の活用について解説してきましたがいかがでしたか？
  • 
    当北陸新築リフォーム補助金ナビでは、この減税制度を活用したいけど、
  • 省エネ等住宅に該当するかどうかわからないという工務店様や、
  • 自らは建築士事務所登録していない建築士で「住宅省エネルギー証明書」を発行できないという事業者様のために、
  • 代わりになる証明書として「住宅性能証明書」の取得についての相談、申請代行業務を請け負っております。

 

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  詳しくは当サイトまでお問い合わせください。
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