いつもご愛読いただきありがとうございます。
北陸新築・リフォーム補助金サポートナビ編集部です。
令和4年度にあたらしく登場した国交省の補助金「住宅エコリフォーム推進事業」。
令和5年度も実施される予定なので今のうちに勉強しておきましょう!
省エネリフォームの補助金といえばこどもエコすまい支援事業もあるけどどう違う?
どちらを利用した方がよりお得なの?
詳しく解説していきますので、工務店の経営者、責任者の方は是非ご覧ください。
北陸のリフォーム事業者のみなさんが今、気になっていること。
・・・なんか最近、リフォームの補助金やたら多くない?
「住宅エコリフォーム推進事業」は昨年令和4年9月に公募開始しました。
秋に新しい補助金??不思議~~
その時見た、この補助金の事業ホームページが。
ダントツつまらなくて・・・こまかいところまで読む気になれない!
その、つまらない事業HPはこちら。
ね? すぐ閉じたくなったでしょう?
がんばって「事業概要」を読もうとした方。
4ページくらいざっとながめて、画面閉じましたでしょ~
いいんですよ。あなたは悪くない。
こんなもので説明したと思ってる国交省が悪い。
ひさしぶりに見ましたよ、こんなに心のこもっていない補助金支援室を。。。。
理由はすぐわかりました。
募集要項を確認したところ「交付申請は令和5年1月13日まで」「実績報告は令和5年2月28日まで」
え?申込期間、半年も無いの??
だれがやるのこれ??
だれもやらないだろうな。。。
弊社もこの補助金に関する問い合わせはほぼ無かったまま、あっという間に新年になりました。
令和4年度の交付申請の申込は既に終了しております。
ただ、令和5年度の国交省住宅局予算にしっかり入ってたので、
令和5年度の5月頃には再度、募集が始まると思うんです。
そうなるとちょうど「こどもエコすまい支援事業」と実施時期がかぶりますね。
こどもエコすまい支援事業の解説コラムはこちら。
こどもみらい救済へ!こどもエコ支援事業とは
あっちも省エネ改修の補助金です。ただし上限はリフォームなら基本的には30万円まで。
こちらの住宅エコリフォーム推進事業は上限約51万円(耐震改修もするなら最大69万円)まで。
工事の内容と時期がどっちもできる時は、どっちにしたらいいのでしょうか?
結論から申し上げます。
1階全面リフォーム以上の規模があるなら、住宅エコリフォーム推進事業の方が良いですよ!
次項から解説いたします。
さて本事業は「カーボンニュートラル実現に向けて既存住宅をZEHレベルの高い省エネ性能へ改修すること」を目的としております。
したがいまして
①ZEH相当の高性能窓を採用すること(複数個所)
②ZEH相当の断熱材を採用すること
③ZEH相当にするために高効率給湯器と高断熱浴槽をセットで採用すること
大きくはこの3つが条件になります。
こどもエコと違う点。まずは①が必須工事である点です。
最低2か所は高性能窓=熱貫流率2.3以下の窓(樹脂サッシ等)を採用しましょう。
②と③は任意工事になります。要件に適合する仕様の建材を使うならついでに補助対象にできます。
こどもエコ補助金では対象製品別、性能別に定額で補助金を決めていますが、本事業では補助率方式。
補助率を工事費の11.5%と定め、補助対象工事費×補助率11.5%=補助金額を算出します。
この補助対象工事費は、基本的にはみなさんが作成する工事の見積明細書が元になります。
(なので実際の補助金交付申請には見積書を小項目まですべてのページを提出することになります)
ただし、見積明細書から工事ごとの費用を無条件に採用されるのではなく、
国が考えるおおよその工事費の最大値の目安「モデル工事費」を上限としています。
なのでこの補助金がいくらもらえるのかは、まずは最大値「モデル工事費」で算出してみると良いでしょう。
当サイト作成の「住宅エコリフォーム 補助金額算出シュミレーションシート(モデル工事費版)」で
概算計算できますのでご活用ください。
このシュミレーションシートで計算してみるとわかること。
・・・工事内容が少ないと、大してお金もらえないな。
<住宅エコリフォーム推進事業【部分改修】補助金シュミレーションの例>
工事内容:外窓交換(樹脂サッシ)大サイズ ×2か所工事する場合(必須工事のみ)
モデル工事費 225,000円/箇所 × 補助率11.5% × 2箇所= 51,750円(補助金額)
一方、【こどもエコすまい】の場合は?
<こどもエコすまい支援事業 リフォーム専用補助金シュミレーションの例>【こどもエコ】
工事内容:外窓交換(樹脂サッシ)大サイズ ×2か所工事する場合(必須工事のみ)
外窓大サイズ(ZEHレベル) 補助金31,000円 × 2箇所= 62,000円(補助金額)
つまり、上記のケースでは【こどもエコ】の方がお得。
申請手続きはこどもみらいとほぼ同じでシンプル、見積書の提出なし。
もちろん予算のある限りですが。
住宅エコリフォーム推進事業は既存住宅のZEH化リフォームが目的ですが、
【こどもエコ】もZEH水準向けの高めの補助金がちゃんと設定されているので、こういうケースがあり得るんです。
じゃあ、住宅エコリフォーム推進事業はどういうケースで使えばいいの?
結論はもう最初にお伝えしました。
1階全面リフォーム以上の規模があるなら、住宅エコリフォーム推進事業の方が良いですよ!
つまり、工事面積(規模)次第です。
たとえば
①すべてのサッシ
②床、外壁、天井等の断熱材をZEH仕様に改修し、
③高断熱浴槽のユニットバス化と高効率給湯器への交換工事
たとえば①②③の補助対象工事費合計がモデル工事費概算目安で①+②+③=300万くらい計上できるなら、
補助率11.5%を乗じて補助金額が約34.5万になり、
補助金上限が30万のこどもエコよりもらえる補助金額の多さにおいて
やっと違いが出てくるんです。
つまり、リフォームの規模次第。
なのでまずは「1階全面リフォーム以上の工事範囲があるか」どうかをみきわめポイントとして推奨します。
それ以下の工事の規模、たとえば浴室と脱衣所廻りだけとか、
LDKのみの改修であれば、
たぶんこどもエコすまい支援事業の方が有利です。
こどもエコすまいは「家事負担軽減設備」や「バリアフリー改修」のぶんも
補助対象にできる幅広さがウリ。補助金額アップにおおいに役立つでしょう。
なお国の補助金同士は併用できません。どちらか1つを選択します。
「契約書を分ける」という手法を相談いただく場合がありますが、最近は工期が重複しないことを求めてきます。
複雑になるのでおすすめしません。
高性能窓(熱貫流率2.3以下の性能)を採用しつつ、
リフォーム工事範囲が住宅の1階部分のすべてで断熱改修する内容の契約の場合は、
住宅エコリフォーム推進事業(上限約51万円)の活用を検討することをおすすめします。
それより工事規模が小さいならこどもエコすまい支援事業(上限30万)で十分のはずです。
なお、物件別にどちらの補助金事業がお得になるのかちゃんと確認したい場合は
当サイトの補助金シュミレーションシートでそれぞれ計算して確認してみてください。
住宅エコリフォーム推進事業は既存住宅のZEH化リフォームが目的ですので、
補助対象にしたい断熱改修はZEH仕様の性能で施工する必要があります。
そのため、本事業では断熱材への補助の条件として、
部位別に熱貫流率または熱抵抗値(R値)の最低基準を定めています=「ZEHの仕様基準」が要件です。
このZEH仕様基準は、改正建築物省エネ法の告示で「誘導基準」にそのまま採用されました。
同法の「省エネ基準」の仕様規定の上にはじめて設定された、
ZEH水準の場合の仕様規定です。
詳細の説明はここではいたしませんが、
木造の戸建住宅、充填工法の場合で、ZEH仕様基準の内容=補助対象にできる断熱材の厚みの例をご紹介します。
<例1>グラスウールメインの場合(グラスウールの熱伝導率0.038の場合)
床:熱抵抗値2.2以上=ネオマフォーム 45mm以上
外壁:熱抵抗値2.7以上=ハウスロンZERO 105mm以上
天井:熱抵抗値4.4以上=ハウスロンZERO 168mm以上(90mmを2重にする等)
<例2>吹付硬質ウレタンフォームメインの場合(熱伝導率0.040の場合)
床:熱抵抗値2.2以上=吹付硬質ウレタンフォーム 88mm
外壁:熱抵抗値2.7以上=吹付硬質ウレタンフォーム 108mm
天井:熱抵抗値4.4以上=吹付硬質ウレタンフォーム 176mm
屋根:熱抵抗値5.7以上=吹付硬質ウレタンフォーム 228mm
お気づきでしょうか。
外壁と天井(屋根)の仕様が、これまでのリフォームでは、なかなかしない厚みです。
外壁はこんなに充填できない場合もあるはず。
リフォームで外壁にウレタンで吹付さえすれば、すきま風が防げてあたたかくなる。
今まではそれで満足していましたが、ZEH化リフォームとしては性能が足りないとのことです。
そしてZEH化レベルが補助の要件になっている補助金であれば、
上記の厚みで施工できない住宅なら、その部位の断熱改修を補助対象にできません。
しかし本補助金をかしこく活用したいなら、
外壁の断熱改修を参入しないと、30万以上の補助金になかなかならないですよ~~!
外壁の断熱改修が最も経費がかかるからモデル工事費の設定も最も高額(有利)なんです。
外壁はぜひ補助対象工事に入れるべき!
外壁の工事費も補助対象にするために、外壁へ吹付ウレタンするなら材料的に性能が最上位のものを使うか、
高性能グラスウールの商品選択で調整するなどの対処が必要だと思います。
住宅エコリフォーム推進事業は既存住宅のZEH化リフォームが目的です(なんども言う)。
ZEHの評価には窓と断熱材だけでなく、エネルギー設備(給湯設備等)も関係します。
本事業ではエコ住宅設備として高効率給湯機・高断熱浴槽・節湯水栓(浴室)の3点を同時に改修する場合は、
ZEH化になるとして3点まとめて補助対象になります(任意工事)。
1つでも欠けると補助対象にできません。
高効率給湯器の性能の条件は令和4年度事業では特別厳しいものではなかったので
(エコキュートの場合でJIS3.0以上)、先導的な性能の給湯器でなくとも補助対象になりそうです。
なお、高効率給湯器が数年前にリフォーム済みなどの場合は、
その給湯器の性能(効率)が証明できるなら、リフォーム後に3点セットが成立しているとして
のこり2点の設置工事費を補助対象にできる場合があります。
また、本補助金では「LED照明器具の取り付け工事」も
照明取り付け工事費×補助率11.5%で補助対象にすることができます(任意工事)。
これはめずらしい。
ただし、電球球の交換でLED化するなどの工事が伴わない場合は補助対象外です。
また、このLED照明工事にはモデル工事費の設定が無いので事業者見積明細をそのままできます。
見積明細では照明器具そのものの費用に加えて、
照明器具の箇所数×取付施工単価で電気工事取付費も見積計上すれば補助対象にできますよ。
このさい家じゅうの照明をLED器具に変えましょう。
さて、ここまで補助対象になる工事の内容①②③について解説してきました。
最後に、補助金の申請手続きの流れについてざっくりご紹介します。
下記はもし令和5年度事業として令和5年の5月に公募開始となった場合の、おおよそのダンドリです。
令和4年度の場合を参考にしたものなので、
詳しくは公募開始後の補助金支援室の交付申請マニュアルを再度ご確認ください。
5月上旬? 住宅エコリフォーム推進事業 公募開始
5月中旬? 事業者登録手続き開始。
「jGrants(Jグランツ)」という電子申請システム内で申請。システムログイン時には「gBiz」のIDが必要です。
5月下旬? 申請した事業者登録が完了し通知をもらったらリフォーム工事への着手が可能になる。
6月~ 補助金の交付申請書を提出する。
<必要書類の例>
請負契約書、見積明細書、平面図、立面図、
既存住宅の不動産登記における建物登記事項証明書(旧耐震住宅は耐震改修必要)
6月~ 解体前に補助対象部位の着工前写真を撮影してから解体しましょう。
8月頃? 交付決定通知(補助金の予定額の決定)
12月頃? 完了実績報告を提出する。
<必要書類の例>
工事代金の領収書と振込時の送金伝票、窓や断熱材等の出荷証明書、納品書等。
補助対象部位の着工前・施工中・完成時の写真(工事看板必須)
※本補助金の概要については当サイト作成の説明チラシ(令和4年度版)にまとめていますので
参照ください。
さて、住宅エコリフォーム推進事業について解説してきましたがいかがでしたか?
北陸新築リフォーム補助金ナビでは、この補助金を活用したいけど、
補助金の要件に該当する断熱仕様がわからない場合や、
どのサッシを使うといくら補助金がもらえるのかわからないというリフォーム事業者様に、
補助金のノウハウと採用する住宅設備建材の提案が可能です!
くわしくは当サイトまでお問い合わせください。