マイホームをリフォームするにあたって、絶対に知っておきたい「リフォーム優遇制度」。
それにしても、リフォームの補助金や制度って種類が多いし、
なんだかややこしいと感じている工務店様も多いのではないでしょうか。
リフォームをする上で条件を満たしていれば、国や地方公共団体から補助金が交付されたり、
減税やその他の優遇制度が受けられたりします。
2023年から新たに実施される制度もあるため、いち早く取り入れて、お客様に提案しましょう!
【目次】
1. 知らないと損!リフォーム優遇制度とは?
①リフォームに関する補助金について
②リフォーム減税について
2.子育て世帯・三世帯同居に嬉しい補助金2選!
①こどもエコすまい支援事業
②長期優良住宅化リフォーム推進事業
3.まとめ
リフォーム優遇制度は工事費用の一部を補助してもらえる「リフォームに関する補助金」と、
住宅に関わる税金の控除や減税をしてもらえる「リフォーム減税(税制優遇)」の2つに分けられます。
リフォーム優遇制度は申請をしないと受けられない制度で、
お住まいの地域によって、利用できる補助金制度が異なる場合があります。
補助額や減税額などが大きいため、知っているのと知らないのとでは大きな差になるでしょう。
①リフォームに関する補助金について
マイホームのリフォームを行う際に一定の条件を満たしていれば、国から補助金を受けられる制度です。
特に最近の補助の対象となるリフォーム工事の内容は「省エネルギー」に関わるものが多いです。
補助対象となるリフォーム工事の内容や対象製品、申請手続きや工事期間などは、補助金ごとに違いますので
事前に業者側がしっかりと把握しておくことが重要です。
②リフォーム減税について
一定の条件を満たす工事内容で住宅のリフォームを行うと、所得税などの減税を受けることができます。
減税は補助金の交付とは違い、本来支払わなければならない所得税額を軽減してもらえる制度です。
リフォーム減税も、リフォーム工事後に確定申告などで申請しないと適用されることはないため、
あらかじめ利用できる減税制度がないか確認しましょう。
リフォーム工事における税制優遇の主な種類は、以下の通りです。
1. 所得税の控除(改修工事完了した年の1年のみ)
2. 固定資産税の減額(改修工事した翌年度の1年のみ)
3. 贈与税の非課税措置(増改築工事)
「耐震」「省エネ」「バリアフリー」「同居対応」「長期優良住宅化リフォーム」の
5つのテーマのいずれかに該当するリフォーム工事であれば、
所得税や固定資産税の減税を受けることができます。
テーマ別に求められる必須工事などの要件が決まっており、例えば「省エネ」であれば
窓の断熱改修工事が必須工事になっています。
「バリアフリー」の場合は通路幅拡張工事、階段勾配緩和工事、浴室改良、便所改良、手すり設置、段差解消、出入り口の戸改良、滑りにくい床材への取り換え工事が対象の工事になり、幅広いですが、
このテーマの場合に限り「50歳以上の者の住宅であること」等の世帯要件があるので注意が必要です。
また、いずれのテーマの工事であっても、減税対象にしたリフォーム工事の規模(金額)が小さすぎると
控除対象外になる場合があります。(控除対象の工事費用が50万超は算定できること)
詳しくは下記サイトでテーマ別に確認してください。
出典:一般社団法人住宅リフォーム推進協議会(リフォーム減税制度の概要)
最近多くなってきている「子育て世代」「三世帯同居」のリフォーム。
ここからは、子育て世代と三世帯同居におすすめの補助金をピックアップしてご紹介します。
①こどもエコすまい支援事業補助金
こどもエコすまい支援事業は、2023年3月末から交付申請が始まっている支援事業です。
既存住宅の省エネルギー化を目的としており、
省エネ性能が向上するリフォーム工事に対して、補助金が交付されます。
必須工事として①開口部の断熱改修、②外壁や屋根等の断熱改修、③エコ住宅設備(高効率給湯器や高断熱浴槽など)の設置いずれ1つ必要です。
そのほかに任意工事として「子育て対応改修」としてキッチン対面化工事や掃除しやすいトイレへの交換工事、宅配ボックス設置工事なども補助の対象になっています。
また、「バリアフリー改修」も必須工事と同時にリフォームすれば補助の対象になります。
この補助金のリフォームの申請は、実は世帯制限はなく、子育て世帯でなくても利用できますが、
もし子育て世帯や若者夫婦世帯に該当する場合は、申請できる補助金額の上限が上がります。
一般世帯のリフォームでは最大30万円ですが、
もし子育て若者世帯のリフォームであれば最大45万円、
さらに子育て若者世帯が中古住宅を購入した上でリノベーションする場合であれば最大60万円が交付されます。
当サイトでもたびたびご紹介していますこの補助金は予算の残りがある限りの補助金なので
下記HPで予算の進捗状況もチェックしておきましょう。
住宅省エネ2023キャンペーン【公式】 (mlit.go.jp)
②令和5年度長期優良住宅化リフォーム推進事業
長期優良住宅化リフォーム推進事業とは、
既存住宅の性能向上を目的としたリフォーム工事をする際に、性能向上にかかる費用が補助される制度です。
「耐震」、「省エネ」、「劣化対策」、「維持管理」など住宅の基本的な性能4項目をクリアしている住宅が対象で
若者子育て世帯が親世帯との二世帯~三世帯同居に対応するためにキッチンや浴室など住宅設備を増設する工事や、子供部屋などを増築する工事が「三世代同居対応改修工事」として最大50万(補助率1/3)まで補助金申請可能です。
また、キッチンの対面化工事やユニットバスを前より大きいサイズに交換する工事、大型化工事、掃除しやすいトイレへの交換工事、宅配ボックス設置工事なども補助の対象になっています。
同時に「耐震」「省エネ」の性能を向上する工事ををするなら、その工事費についても「特定性能向上工事」として補助を受けられます。補助率1/3で、上限は100万/戸まで。
本事業は、自宅を建替えせずに劣化した部分を更新する、つまり既存住宅を永く住めるように長寿命化・省エネ化することを目的としています。
そこで、長期優良住宅化リフォーム推進事業では
まずはリフォーム工事前に有資格者による建物現況調査(インスペクション)を実施する必要があります。
このインスペクションは基本目視で行いますが、主要構造部や構造躯体が劣化していれば、
補助金申請するリフォーム工事実行時に同時に劣化部分を補修または更新することが補助の要件になります。
これは本来、木造住宅としてしなければならない、点検と補修(メンテナンス)ですよね。
普段住んでいたら気づきににくい、見えない部分。構造材や床下、小屋裏などを有資格者が目視確認し、
異常がないことと必要な補修メンテナンスを実施することで木造住宅は長寿命化します。
いわば健康診断を受けてから、リフォームをしましょうと言っているだけ。
補助金の要件ではありますがあたりまえの措置だとも言えます。
住宅の省エネ改修だけでなく、外壁の劣化(コーキング補修や外壁改修など)も補助対象になるので、
築20年~30年くらいの木造住宅で活用するのがおすすめの補助金です。
なおそれより築年数が古くなると旧耐震住宅になり「耐震改修」による現行の耐震基準適合化が必要になりますので
注意しましょう。
現在、令和5年度の長期優良住宅課リフォーム推進事業が4月7日から公募開始しています。
評価基準型では最大150万円(前述のとおり)、認定長期優良住宅型であれば最大250万円の補助金が交付されます。
まずは下記HPから事業者登録をしてからリフォームの請負契約締結しましょう。
令和5年度 長期優良住宅化リフォーム推進事業 (choki-r-shien.com)
住宅登録(リフォーム着手前にすること)は令和5年12月15日まで、
交付申請は令和5年12月22日までの予定です。
完了実績報告は令和6年2月16日までの予定。
こどもエコ補助金や先進窓リノベ補助金は予算に限りがあるので
工期が長い大規模リフォームであればこちらの補助金の方がおすすめですよ。
ただし予算のある限りという事情はこちらも同様なので上記HPで予算残をチェックしましょう。
リフォーム工事向けの優遇制度の対象となるリフォーム工事は、やはり「省エネルギー」に関わるものが大半です。
省エネルギーのリフォーム工事は、高断熱窓や高効率給湯器など、
指定の製品を使用して改修工事を行うことで、利用しやすい傾向があります。
利用する制度によって、工事内容・性能基準・対象期間が違うので、ややこしい点もありますが、
住宅への省エネリフォームの支援制度は毎年たくさん募集されていますので、
内容をしっかり理解して、積極的に提案していきましょう。
このコラムに続いて、特定のリフォーム(省エネ、バリアフリー、耐震)での優遇制度について紹介します。