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意外と知らない5種類のZEHの違いとは? 必要な3つの要素も解説!

近年、注目を集めている「ZEH」ですが、実は5つの種類があることをご存じでしょうか?
今回は5つのZEHの種類の違いについて、わかりやすく解説していきます。
工務店などで、ZEH住宅を提案しているという方などは、知識として必要な内容にもなっていますので、ぜひご覧ください

【目次】
1. ZEHとは?
2. ZEH住宅に必要な3つの要素
3. 5つのZEHの種類
① ZEH
② ZEH+
③ ZEH Oriented
④ Nearly ZEH
⑤ Nearly ZEH+
4. まとめ

1.ZEHとは?


そもそもZEHとはどんな定義の住宅なのでしょうか?
ZEHは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)を略した言葉のことであり、「ZEH住宅」などの使われ方をしています。
この「ZEH住宅」は、自らがエネルギーを生み出して、
生活に必要な消費エネルギーをまかなえるような住宅を指します。

経済産業省のZEHロードマップ検討委員会では、ZEH住宅に関して
「外皮の高断熱や高効率な省エネルギー設備の導入によって大幅な省エネルギーを実現し、
再生可能エネルギーを活用することで年間の消費エネルギーをゼロにする目的で建てられた住宅」
という定義がつけられています。

資源エネルギー庁 HPより「ZEHの定義(改訂版)2018年」

ZEHの定義 改訂版

資源エネルギー庁 HPはこちら

https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/housing/index03.html

つまり、端的にZEH住宅について表すのであれば、
「省エネを取り入れた住宅」ということになります。
その住宅において、消費するエネルギーよりも、
創出するエネルギーの方が多くなるとZEH住宅になります。
生活に必要な電力を自身の住宅で賄うことができるため、
環境に配慮されているというだけでなく、毎月の光熱費もお得になるのがZEH住宅です。

2.ZEH住宅に必要な3つの要素


省エネ性の高いZEH住宅ですが、そのためには下記の3つの要素が必要となります。

① 省エネ
一つ目は何といっても住宅内の省エネです。
住宅に常時備え付けらえる設備のうち、暖房設備(エアコンや床暖房など)、
冷房設備(エアコン)、24時間換気システムに用いる換気ファン、給湯機器、
浴室やキッチンや洗面所に用いる水栓、室内照明機器については、
なるべく消費する電力やお湯の量が少なくて済むタイプを採用することで
住宅は省エネ化していきます。
消費電力が大きいタイプの設備を新築時に備えると、ZEH住宅になりにくいので、
いつも標準仕様で選んでいる設備が本当に省エネタイプなのか、
値段だけではなく消費電力(効率)も見直ししてみましょう。

②創エネ
二つ目は、創エネです。
これは、創出エネルギーのことであり、その住宅で作り出されるエネルギーのことです。
創エネには、太陽光発電システムなどの再生可能エネルギーシステムの導入が必要となります。
そういった設備によって、生活に必要な消費エネルギーを賄う、もしくは上回るようなエネルギーを創出しなければなりません。

③断熱
三つ目は、断熱です。
断熱性能は、住宅で消費するエネルギー量に大きくかかわります。
もし、断熱性が高ければ室温が外気温の影響を受けにくくなり、
冷暖房などの電力量つまりエネルギー使用量を下げることができます。
そのため、断熱性が高ければ、消費エネルギーを抑えることにつながります。

この3つの要素を備えることが、ZEH住宅の条件になるといえるでしょう。

3.5つのZEHの種類


省エネ性の高いZEH住宅ですが、いくつか種類があるのをご存知でしょうか?
ここでは、5種類のZEHの違いについて解説していきます。
それぞれ見ていきましょう。

① 1つ目はZEHです。
ZEHの技術要件
1.再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量が、
省エネ基準と比べて20%以上削減していること、かつ、再生可能エネルギー等の導入し、
住宅が消費する一次エネルギーを100%削減している住宅、
つまりエネルギーの消費が理論上ゼロになっている住宅とされています。

2.外皮強化基準に適合する住宅であること
屋根、外壁、床、窓などの開口部からの熱の逃げやすさを示す基準である、
「外皮平均熱貫流率」のUA値について、省エネ基準のUA値より厳しい
「外皮強化基準※」に適合していること。

外皮強化基準※とは下記の基準です
地域区分1・2の地域(北海道や東北の一部)はそれぞれUA値0.40以下
地域区分3の地域(東北の一部)はUA値0.50以下
地域区分4~7(上記以外)はUA値0.60以下とされています。

このZEHが最もスタンダードな型で、2015年に経産省で規定されました。
2030年には新築戸建住宅で義務化になる見通しです。

② 2つ目Nearly ZEH(ニアリーゼッチ)
こちらは地域が限定されており、都市部狭小地または多雪地域(積雪100センチ以上)の建築地の住宅に限られて適応されます。

1.再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量が、
省エネ基準と比べて20%以上削減していること、かつ、再生可能エネルギー等の導入し、
住宅が消費する一次エネルギーを75%削減している住宅、
つまりエネルギーの消費が理論上ゼロになっている住宅とされています。

※下線部の点がZEHより緩和されています。
つまり、創エネを含む省エネ削減量がZEHよりも少し少ない、
ZEHまであと一息。なのがNearly ZEHとなります。

2.外皮強化基準に適合する住宅であること
屋根、外壁、床、窓などの開口部からの熱の逃げやすさを示す基準である、
「外皮平均熱貫流率」のUA値について、省エネ基準のUA値より厳しい
「外皮強化基準※」に適合していること。

外皮強化基準※とは下記の基準です
地域区分1・2の地域(北海道や東北の一部)はそれぞれUA値0.40以下
地域区分3の地域(東北の一部)はUA値0.50以下
地域区分4~7(上記以外)はUA値0.60以下とされています。

このNearlyZEHは2015年に経産省がZEHを規定して以降、
2018年に後発で誕生しました。都市部狭小地への太陽光設置量の配慮(緩和)です。
2030年の新築戸建住宅で義務化においては、
都市部狭小地または多雪地域(積雪100センチ以上)の建築地であれば認められる見通しです。
ただし太陽光など再生可能エネルギ~設置の努力義務はある。


③ 3つ目はZEH Oriented(ゼッチ・オリエンテッド)
こちらは地域が限定されており、都市部狭小地または多雪地域(積雪100センチ以上)の建築地の住宅に限られて適応されます。

1.再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量が、
省エネ基準と比べて20%以上削減していること。
なお、ZEHOrientedはZEHで必須の再生可能エネルギー等の導入は不問。
※この点はZEHより緩和されています。都市部狭小地または多雪地域(積雪100センチ以上)の建築地で太陽光を設置したくてもできない場合に考慮。

2.外皮強化基準に適合する住宅であること
屋根、外壁、床、窓などの開口部からの熱の逃げやすさを示す基準である、「外皮平均熱貫流率」のUA値について、省エネ基準のUA値より厳しい「外皮強化基準※」に適合していること。

外皮強化基準※とは下記の基準です
地域区分1・2の地域(北海道や東北の一部)はそれぞれUA値0.40以下
地域区分3の地域(東北の一部)はUA値0.50以下
地域区分4~7(上記以外)はUA値0.60以下とされています。

このZEHOrientedは2015年に経産省がZEHを規定して以降、
2018年にNearlyZEHと同じタイミングで後発で誕生しました。
ただし多雪地域にも認められたのは2020年から(経産省が規定を変更)。
2030年の新築戸建住宅で義務化においては、
都市部狭小地または多雪地域(積雪100センチ以上)の建築地であれば認められる見通しです。
ただし太陽光など再生可能エネルギ~設置の努力義務はある。

ここからは一般的なZEHより基準が厳しくなっているタイプをご紹介します。


④ 4つめはZEH+(ゼッチプラス)です

ZEHよりさらに省エネ強化するために、基準を厳しく、要件が追加されています。
経産省や環境省の補助事業においてコースの設定あり。
国交省の補助事業では今のところ意識されていません。

1. 再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量が、
省エネ基準と比べて25%以上削減していること、かつ、再生可能エネルギー等の導入し、
住宅が消費する一次エネルギーを100%削減している住宅、
つまりエネルギーの消費が理論上ゼロになっている住宅とされています。
※下線部がZEHより強化(厳しく)されている点です

2.外皮強化基準に適合する住宅であること
屋根、外壁、床、窓などの開口部からの熱の逃げやすさを示す基準である、
「外皮平均熱貫流率」のUA値について、省エネ基準のUA値より厳しい
「外皮強化基準※」に適合していること。

3.下記の3つの要素 (ⅰ)(ⅱ)(ⅲ)のうち2つ以上を採用していること
※この項目の追加そのものがZEHより強化(厳しく)されている点です

(ⅰ)外皮性能のさらなる強化
外皮平均熱貫流率についてZEHの外皮強化基準よりさらに厳しいUA値とすること

地域区分1・2の地域(北海道や東北の一部)はそれぞれUA値0.30以下
地域区分3の地域(東北の一部)はUA値0.40以下
地域区分4~7(上記以外)はUA値0.50以下

(ⅱ)高度なエネルギーマネジメントシステム
HEMS設置により住宅内の冷暖房、給湯、太陽光発電、蓄電池(ある場合)、電気自動車の充電設備(ある場合)の計測を可能とすること

(ⅲ)電気自動車を活用した自家消費の拡大措置
電気自動車用の充電設備または充放電設備を設置すること。
EV充電用コンセントまたはケーブル付き普通充電設備や、V2H充電設備が該当


⑤ 5つめはNearly ZEH+(にありゼッチプラス)です
一般的なNearlyZEHよりさらに省エネ強化するために、基準を厳しく、要件が追加されています。
経産省や環境省の補助事業においてコースの設定あり。
国交省の補助事業では今のところ意識されていません。

1. 再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量が、
省エネ基準と比べて25%以上削減していること、かつ、再生可能エネルギー等の導入し、
住宅が消費する一次エネルギーを75%削減している住宅、つまりエネルギーの消費が
理論上ゼロになっている住宅とされています。

※下線部がZEHより強化(厳しく)されている点です

2.外皮強化基準に適合する住宅であること
屋根、外壁、床、窓などの開口部からの熱の逃げやすさを示す基準である、
「外皮平均熱貫流率」のUA値について、省エネ基準のUA値より厳しい
「外皮強化基準※」に適合していること。

3.下記の3つの要素 (ⅰ)(ⅱ)(ⅲ)のうち2つ以上を採用していること
※この項目の追加そのものがZEHより強化(厳しく)されている点です

(ⅰ)外皮性能のさらなる強化
外皮平均熱貫流率についてZEHの外皮強化基準よりさらに厳しいUA値とすること

地域区分1・2の地域(北海道や東北の一部)はそれぞれUA値0.30以下
地域区分3の地域(東北の一部)はUA値0.40以下
地域区分4~7(上記以外)はUA値0.50以下

(ⅱ)高度なエネルギーマネジメントシステム
HEMS設置により住宅内の冷暖房、給湯、太陽光発電、蓄電池(ある場合)、
電気自動車の充電設備(ある場合)の計測を可能とすること

(ⅲ)電気自動車を活用した自家消費の拡大措置
電気自動車用の充電設備または充放電設備を設置すること。
EV充電用コンセントまたはケーブル付き普通充電設備や、V2H充電設備が該当

つまりこの「Nearly ZEH+」と「Nearly ZEH」の関係は、
「ZEH+」と「ZEH」の関係と同様だといえるでしょう。
これらが5種類のZEHの違いになります。
図式化すると下記のようになるでしょう。


頭の中を整理したい方は、ぜひ参考にしてみてください。

4.まとめ


いかがだったでしょうか。
ZEHはカーボンニュートラル実現のために主力となりうる省エネ住宅のことを指し、
大きく5つの種類に分かれます。
工務店として、それぞれの違いについて理解し、最適な提案ができるように準備していきましょう。

また、北陸新築リフォーム補助金サポートナビでは、ZEH住宅などの省エネ基準の評価に必要となる、「BELS申請サポート」を実施しております。詳しくは下記のページをご覧ください。
https://hokuriku-hojyokin.jp/service-cat/jutaku-seinou-hyouka/

加えて当サイトでは、北陸3県の工務店様の補助金申請のサポートしております。
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