いつもご愛読いただきありがとうございます。
北陸新築・リフォーム補助金サポートナビ編集部です。
2050年カーボンニュートラルの実現のため、住宅の省エネ化が加速している今日、
ZEHという言葉を聞かない日はありませんよね。
現時点で決まっている法改正や制度のみなおしを考えると、
2024年からは新築全棟ZEH、太陽光標準化がおすすめ!
今回のコラムではこれからの新築住宅をZEHにしておくべき理由を解説いたします!
今年の夏はとても暑かったですね!
各地で猛暑日が過去最多を大きく更新しているというニュースがよく流れていました。
「もう異常気象とかのレベルではない。あきらかに地球の気候が変わった」
皆様も実感しているのではないですか?
上記は環境省CoolChoiceウェブサイトに掲載された「2100年未来の天気予報」です。
今から76年後の2100年、8月の最高気温の予報図ですが、
何と沖縄(那覇)の気温より北陸(金沢)の気温の方がずっと高くて42.4度という、
考えられない暑さになるという未来予報になっています!
こうなるとただ暑いというだけではなく、おコメが取れなくなる!致死率の高い疫病が流行する!
などなど、非常に厳しい環境を強いられることになるようです。
未来の子どもたちのために今、できることを!
(このフレーズは何回聞いても身につまされます)
このような未来を防ぐために、
2020年10月26日、当時の菅内閣総理大臣は所信表明演説にて
「我が国は2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする。
すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すこととします。」という、
カーボンニュートラル宣言を内閣として発表しました。
そして、それを実現すべく、現在いくつもの法改正が施行予定になっています。
2021年 省エネ性能説明義務化 施行済
2025年 省エネ基準適合義務化 施行予定
2030年 省エネ基準をZEH水準に引き上げ見込み
そして今、とても話題になっているのが
「2024年 住宅ローン減税制度 省エネ基準要件化」です。
国交省が配布中のチラシがこちら
諸元:国土交通省HPより
今までは、購入した住宅の省エネ基準のレベルは不問、住宅を購入すれば住宅ローン減税は利用できました。
ところが、
2024年1月1日入居からは原則として
省エネ基準に適合している証明書を税務署に提示しないと減税0円になるかもしれません。
2024年度の確定申告(2025年2月15日開始)では、きっとこのような光景が増えるでしょう。
【ケース1:省エネ住宅の証明書(ZEH水準)ありのAさんの場合】
・入居日 2024年1月30日
・建築費 3500万(税込) 住宅ローン借入 3200万
・フラット35全期間固定 金利1.88% 返済期間 30年
・2024年12月31日時点の住宅ローン借り入れ残高 約3,119万円
2025年2月16日、Aさんは所管の税務署に確定申告へ。
「2024年中にZEH住宅を取得したので住宅ローン減税を申告したいです!」
すると、税務署の方から、以下のように言われます。
「住宅省エネルギー性能証明書によるとZEH水準に適合しているので、
ローン残高の3119万全額が控除対象にできます。
2024年度に納付済の所得税と翌年度の住民税の一部から、
約22万円還付できます。
3月末までには振り込みで返金になると思います!」
Aさんはほっと一息。
【ケース2:省エネ住宅の証明書が無いBさんの場合】
建築費や住宅ローン借り入れ額は全てAさんと同じ。
違いはZEHとして契約しておらず省エネ住宅の証明書が無いことのみ。
・2024年1月30日入居
・2024年12月31日時点の住宅ローン借り入れ残高 約3,119万円
2025年2月16日 所管の税務署に確定申告へ。
「2024年中に新築住宅を取得したので住宅ローン減税を申告したいです!」
すると、税務署の方から、以下のように言われます。
「省エネ性能についての証明書が無いので原則として住宅ローン減税の対象外になり還付は0円です。
省エネ基準に適合しているという証明書があれば今から13年間は税金の還付ができたのですが・・・」
Bさん「オーマイガー!!!!!!」
これから着工するお客様には、省エネ性能の証明書を必ず準備してあげましょう。
どんなに性能が良くても、証拠となる証明書が無いせいで所得税が1円も戻ってこなかったら、
後で大きなトラブルにもなりかねません。
くれぐれもご注意ください。
とはいえ実は、
2023年12月末までに建築確認を受けた住宅や2024年6月30日までに不動産登記完了した住宅の場合は、
条件はかなり悪いですが、減税額0円にならない救済措置が一応あります。
ただし、減税期間は通常13年間→わずか10年間のみ、
借入限度額2000万までとかなり制限されますが、
上記のBさんが、もし確定申告期限内に2023年12月末までの確認済証を税務署に追加提出できれば、
ローン残高3119万のうち2000万だけなら減税対象にすることができます。(経過措置)
2024年度に納付済の所得税と翌年度の住民税の一部から、
約14万円還付されます。
証明書のあるAさんは毎年最大22万円※×控除期間13年間=最大控除額286万円
証明書のないBさんは救済措置でも最大14万※×控除期間10年間=最大控除額140万円
還付し損ねるかもしれない金額はなんと146万円!!
※毎年度末のローン残高×0.7%が実際の毎年の控除額になります。
そして、さらにもう1つ。
2023年12月31日までに入居する場合に比べると、
2024年1月1日以降に入居する場合は、
減税対象にできる借入限度額の上限設定が全体的にダウンします。
今後は省エネ基準適合住宅レベルで建ててしまうと、わずか3000万円しか控除対象にならないので、
お客様が実際に負担している住宅ローン残高の一部は控除対象外になってしまうケースが多くなるのです!
下記は最大控除額の変遷イメージです。
たとえ省エネの証明書があっても、性能が省エネ基準適合レベルでは借入限度額は3,000万円までになるので、
はみ出した分は減税を受けることができません。
つまり「ZEH以上でないと住宅ローン減税制度をフル活用できない」ということなのです!
昔は経済効果を重視していたので、住宅を購入した、ただそれだけでしっかり税制優遇してもらえました。
昔)一般住宅:4000万×控除率1.0%×10年間=400万(認定住宅は600万まで)
確認済証のみの住宅でも借入限度額は4000万までOKでした。
なので建築業者は減税効果についてそこまで気にすることがありませんでした。
納税額が多いお客様からの要望があれば、長期優良住宅を提案すればよかったのです。
北陸で注文住宅を建築すると、土地がゆったりしていることも多いので延べ床面積が広くなり、
また最近の建築資材高騰により建築費用は3000万以上になることも多いですよね。
土地も購入しているなら4000万以上住宅ローンを組むこともあるはず。
ですがこれからは環境性能を政府が望むレベルにしておかないと、税制優遇は制限されてしまいます。
省エネ基準適合程度であれば借入限度額はわずか3000万までなので
借入限度額3000万×控除率0.7%×10年間=最大控除額210万円。
これは昔のローン減税(一般住宅)限度額の52%程度にしかなりません。
経過措置はなるべく使わないこと!
省エネ基準不適合住宅の場合にのみ利用してください。
省エネ基準以上なら証明書は必ず用意しましょう。
そして省エネ性能をZEH水準にすれば借入限度額は3500万まで可になるので
3500万×控除率0.7%×13年間=最大控除額は318万円まで可能。
北陸の注文戸建て住宅であればZEH水準以上にして
ローン減税制度の借入限度額上限3500万をキープしておきましょう。
国は、冒頭にお話した2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、本気です。
これまで国策情報を皆様にお届けしてきた立場から申し上げますと
浸透に向け、アメだけではなく、ムチも入れてきています。
住宅ローン減税制度をフル活用できない住宅をお客様は望むでしょうか?
答えは!言わなくてもよいですよね。。。
2024年1月からいよいよその流れが本格始動です。
国策の内容をしっかり理解した上で、新築住宅の今後の標準仕様をどのように設定するか、
今からしっかり検討することをおすすめします。
2024年以降はZEH標準が おすすめな理由として最も大きいものが、
昨年来の北陸電力の電気料金の値上げ改定です。
光熱費に関しては、地政学的なリスクも含め、近年高騰が続いています。
北陸の家庭の光熱費の多くを占めるのが暖房費と給湯費です。
下記はとあるご家庭のランニングコストのシュミレーションです。
【算定条件】
一般住宅:借入金額3,000万円、フラット35 35年間
適用金利1.88%/電気料金購入単価27円/kwh 太陽光なし
ZEH :借入金額3,200万円、フラット35S・ZEH 35年間
適用金利当初5年間1.38%、6~10年目1.63%、11年目以降1.88%/
電気料金 購入単価27円/kwh、余剰売電時16円/kwh/太陽光5.5kwh
ZEHで太陽光発電システム導入費用分、建築費がアップするので、
住宅ローンの月々返済金額はZEHの方が多いですが、
売電収入に加え、太陽光の自家消費により昼間の電気の購入量を抑えることができます。
また省エネ性能に優れたZEHであれば光熱費を削減する効果があるので、
実は家計の月々の支出はZEHの方が安くなるのです。
また、以下は光熱費の支払い金額の生涯シミュレーションです。
Bさんのケース
毎月の電気代が15,000円のBさんが、
もし日本人の平均寿命(2020年度公表)まで電気代を支払続けた場合、
何と生涯支払う電気代の合計は9,360,000円にもなります。
さらにガス代と合わせると13,104,000円です。
石油、LNG、石炭等のエネルギー価格については、
今後も高騰していくのは確実ですので、実際はこのシミュレーションよりさらに支払い金額は上がるはず。
そのようなエネルギー問題を抱えた日本の環境下で今最もおすすめしたいのは、
太陽光による「電気の自給自足」です。
日中は自宅の太陽光発電で電気をつくって自家消費。
あまった電気は随時蓄電池で蓄電しておきます。
それでも余った電気があるなら電力会社に売電。
そして夜間は蓄電池に貯めた電力を使って生活できるので、
日中はもちろん夜間も北陸電力から電気を買う量がぐっと減るのです。
北陸電力から電気を買うのはおそらく夜間のみ。
夜間の電力は昼間の電気代にくらべればまだ安価です。
もし電気を買うなら夜にするという賢い使い方はZEH+蓄電池で実現可能です。
最近は自然災害も多く、大規模停電等もニュースで頻繁に報道されています。
災害に対する「備え」としても、
ZEHにして太陽光発電+蓄電池を導入するメリットが大いにあります。
これが2024年以降、新築全棟でZEHをおすすめする最大の理由です。
上記でご紹介した各種資料はこちらから無料ダウンロード可能!
このように国策カーボンニュートラルの影響は、
法改正や制度のみなおしで「ZEHにしないと損」するレベルまで来ています。
その動静にいち早く反応しているのが大手ハウスメーカー。
下記は新築注文住宅におけるZEH化率の推移です。
2016年にZEH率11.9%だったものが、2020年度には24%と倍増しています。
一方、一般工務店様もZEH率は伸びてはいますが、全体の10%未満とまだ伸び悩んでおり、
完全に2極化しています。
時代は既にZEHレベル標準化へ舵を切りました。
「ZEHはあたりまえ」なので、
ZEHにしない場合は税制優遇や補助金で期待していたものが得られないという現象が
ますます強くなるでしょう。
これまでは、省エネ性能より「デザイン」や「プランニング」で差別化してきた方も、
これからはZEHをベースとし、
お客様へ自社の良さをさらに提案していかなければならない時代なのです。
2024年以降、新築全棟をZEH標準化し、さらにZEHの証拠として「BELS評価書」を取得しましょう。
証拠がないと減税制度はつかえません。
BELSは建築物省エネルギー性能表示制度のことをいい、住宅・建築物の格付けする第三者認定制度で、
唯一ZEHの証明ができる証明書です。
省エネ基準適合レベルの場合は星は2つで表示され、
星の数が増えるほど省エネ性能が優れていることがお客様に伝わります。
また、補助金制度への申請にも広く活用されています。
サンプルはこちら(2024年4月1日~)
・消費者向けに建物の省エネ性能を
★の数で表示
・第三者機関による評価なので信頼性
が高い
・補助金や減税制度において省エネ
性能証明書として活用
住宅ローン減税の申告時にはZEH水準であることの証明様式として
「住宅省エネルギー性能証明書」が提出書類として指定されています。
まず着工時に審査機関へBELSを申請し、竣工したら「住宅省エネルギー性能証明書」を追加で発行依頼しましょう。
2024年1月以降に引渡しする新築住宅は、
「BELS評価書+住宅省エネルギー性能証明書」を引き渡し時にお客様に必ずお渡ししてください。
建築住宅のZEHの証明と住宅ローン減税の申告書類はこれで万全ですよ!
北陸新築・リフォーム補助金サポートナビ編集部ではこの
「BELS評価書+住宅省エネルギー性能証明書」交付サポート受付けています!
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お気軽にご相談ください。
今回は2024年からZEHを標準化すべき理由をお話させていただきました。
当サイトでは証明書発行のサポートは勿論、ZEH仕様の検討などのご相談も承っております。
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是非ご覧ください。